0.前提情報
・法学部出身。でも年金・税務系のプロではなくタダの素人。
・極力公式の情報を引用して正確な表現に努める。
・前編は「追納手続きそのものについて」、後編は「『どうせ追納するなら最大限に得する方法でやりたいよね』って考え方について」記載する予定。
1.学生納付特例制度とは
http://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/20150514.html
今回は学生納付特例の申請ではなくその後の検討なので詳細は割愛。
2.学生納付特例制度に伴う後納制度
・学生納付特例期間については、10年以内であれば保険料をさかのぼって納めること(追納)ができます。将来受け取る年金額を増額するためにも、追納することをお勧めします。 (日本年金機構HPより)
あくまでも年金保険料を免除した訳じゃないよ、学生の間は取り立てないからねという事。
・学生納付特例期間の承認を受けた期間の翌年度から起算して、3年度目以降に保険料を追納する場合には、承認を受けた当時の保険料額に経過期間に応じた加算額が上乗せされます。 (日本年金機構HPより)
これが意外と読みにくいが、現役・留年なしで卒業できた学生で考えた場合、
・大学2年(誕生日次第:4月生まれなら1年分、10月生まれなら半年分)
・大学3年(丸々1年分)
・大学4年(丸々1年分)
の2年分+αを支払っていない状態になる。
この状態において、新社会人1年目になってから追納すると、「大学2年の時の年金保険料に関しては加算額(≒利子分)が発生する」という事を書いているのである。(浪人・留年の場合は卒業した時点で加算額も払う必要がある年度が増える、という事)
3.学生納付特例制度の分の追納の仕方
(0)追納に関わる一連の流れ
- 追納用の納付書を入手する
- 納付書を持って入金しに行く
(1)追納用の納付書の入手
保険料の追納には納付書が必要です。納付書の発行は申込みが必要ですので、現在の住所地を管轄する年金事務所まで、お問合せください。 (日本年金機構HPより)
まとめサイトだとこの一文を根拠に「まずは年金事務所に電話だ!」とか書いてある。
ただ年金事務所の営業時間に電話or年金事務所に突撃出来る新社会人って多分居ない(平日8時30分~17時15分、各週最初の平日(≒月曜日)の17時15分~19時、毎月第2土曜日の9時~16時)
合わせられるのであれば直接行ったり電話するほうが簡単。
ただ、それが出来ないよ、って人への方法が意外と知られてない。
☆国民年金追納申込書を直接送りつける
実は申込に必要な情報が自分で分かっていれば問い合わせなくとも申請できる(私が実証済み)
電子政府の窓口 e-Gov 「国民年金保険料追納申込書」
イーガブでもちゃんと明記されてる。 実は電子手続が可能ではあるけど、ICカードリーダーとか電子証明書とか準備が面倒なのでこれも割愛。
日本年金機構:免除された国民年金保険料を追加で支払いたいとき
( http://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/20150331.html )
このページの関連書類の「国民年金保険料 追納申込書」のPDFをプリンターで印刷する。
印刷した申込書の
「基礎年金番号」(年金手帳探してね)
「生年月日」
「申込期間」 (払込をしたい期間を記入する。25年10月~26年3月の6ヶ月を払うのであれば左から[25][10][26][3]でOK。この申込で発行される振込書は大体次の3月末までに払わないと無効になるので、それまでに払える金額分の追納を申し込むこと)
「分割(希望) 区分 」(前の例だと「6ヶ月分×1枚」「3ヶ月分×2枚」「1ヶ月分×6枚」のどれで払い込みたいのか、って事)
【変更がある場合】「住所を変更した時」「名前を変更した時」
の欄を埋めて、一番下の「申込日」「自分の住所」「氏名」「電話番号」「印鑑(認印で十分)」を記入する。
念の為にコピーを1部作成し、コピーは自宅保管、本物は封筒(「国民年金追納申込書在中」とか朱書きしてもいいかも)に入れて「最寄りの年金事務所」に郵送:最寄りの年金事務所は検索してね( http://www.nenkin.go.jp/section/soudan/ )
私の場合、月曜に発送したら水曜に納付書が届いた。早えぇ。
(2)納付書を持って入金しに行く
これはまぁ簡単。ペイジー対応なので銀行・郵便局の窓口、コンビニの店頭とかで「コレ払いたい」って現金と一緒に持ってけばOK。
複数枚に分割した場合は、納付書左端に書かれた納付期間が古いものから順に納付すること。順番を間違えると納付できないので要注意。
どこで納付しても、最後に「納付書・領収(納付受託)証書」というちっちゃい紙を受け取るので、絶対に無くさないこと。(詳しくは後述)
4.追納した後の税金手続き
国民年金の追納分は追納を行った年の所得税計算において社会保険料控除の対象となる。
国税庁タックスアンサー 社会保険料控除 Q1~Q4あたりが関係するhttps://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1130_qa.htm
新社会人であれば、その支払った年金額の約5%位が所得税として還付される(手元に戻ってくる)
さらに翌年の住民税も支払った金額の10%くらい減ったりするので社会保険料控除をするべき
社会保険料控除の適用を受ける現実的な方法は大きく分けて2つ。
- 勤務先の年末調整の際に、「学生納付特例制度の追納をしました」と伝えて、先程の「納付書・領収(納付受託)証書」を一緒に提出する
- 確定申告する(その際に添付資料として 先程の「納付書・領収(納付受託)証書」を一緒に提出する )
1が一番簡単。12月の給料とかで調整してくれる。これで終わる。
ただし、「勤務先に『面倒だから』って断られた」「仕事中にそんな手続きできない」「その年に他の収入がある(学生の時のバイト、副業、株・FX・貴金属・不動産・報酬…等々)」などの場合は確定申告するしかない。
確定申告の説明はあまりにも長くなるのでこれは割愛。住民税に反映されるには支払った翌年の3月中旬までに確申出来てないとだから気をつけるように。
以上。追納手続きの流れについてでした。
(後半へ続く CV:キートン山田)
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